2008年01月04日

中島美嘉「永遠の詩」

永遠の詩
永遠の詩
posted with amazlet on 08.01.04
中島美嘉 CHINO 勝手にしやがれ 森俊也 STEPHEN McGREGOR 宮沢和史 Cole Porter
ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ (2007/10/03)
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<言葉の有機的な繋がりが、広さと深さを作り出す>

 レゲエのゆったりと広いグルーヴの中、いつもの中島美嘉の線の細いボーカルが乗っている、映画「サウスバウンド」主題歌。
 彼女は、2006年には「CRY NO MORE」「ALL HANDS TOGETHER」となんだかやたらと壮大でグローバルな作品を歌っていました。ただ、こちらはもっとなじみやすい緩やかな雰囲気。

 でも歌詞は『暗闇へ旅立つ/勇気があれば/終わりのない愛に辿り着く』と、壮大で深い「愛」の形を歌っています。ただ、繊細なバラードでひとつの恋人達のエピソードを描いた「雪の華」や、ひたすらシンプルに想いを伝える「愛してる」の例もあるように、彼女の声や音楽性は、壮大なサウンドよりも繊細な音の中で深い内容を歌うというほうが合っているような気がします。
 しかもこの「永遠の詩」は、シリアスなサウンドではなくてレゲエのゆったりした調子。変に感動を煽るのではなく、じんわりと響いてくるような感覚を受けます。

 歌詞の特徴としては、1コーラスと2コーラスで、ほとんどが対句的に対比して表現されているという点があります。
 たとえば「あなた」をどこまでも追おうというサビのフレーズの中で、1コーラスは『たとえ夕陽が沈まなくても』2コーラスは『たとえ朝日が昇らなくても』と、夕陽/朝日の対比。これだけならわざわざ抜き出すようなほどではないですが、他でも「空/海」「『永遠の彼方』/『終わりのない愛』」「風/雨」「明日/あなた」などなど、歌詞のほとんどが孤立せず有機的に繋がっているのです。
 こうした繋がりから、それぞれの言葉からだけではないイメージやメッセージの広がりが生まれてくるのですね。

 ただ『たとえすべてを失くしても』とだけ言っても、陳腐に感じてしまう人もいることでしょう。そこをこうして構成や表現をきっちり整えて示すことで、言葉に深みを持たせて聴かせようとしている工夫が感じられます。


posted by はじ at 22:34| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(な行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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