2007年12月14日

倖田來未「愛のうた」

愛のうた
愛のうた
posted with amazlet on 07.12.14
倖田來未 Miki Watanabe Tomoji Sogawa Kumi Koda Kosuke Morimoto
rhythm zone (2007/09/12)
売り上げランキング: 3293


<一心に相手へと注ぐ愛情はいびつに膨らみ、切なさを醸し出す>

 このところずっと両A面シングルや4曲入りマキシシングルなどが続いていた倖田來未、今回は久々にリード曲1つのシングルです。昨年の「恋のつぼみ」以来で、なんと間に5つも挟んでいます。
 そもそも1年半もしないスパンで7シングル出していることになりますし、しかも大部分がリード曲扱いになっているということで、これ以上ないくらい明らかに「量」を重視する方針が見えます。「恋のつぼみ」の前は12作連続リリースでしたしね。

 そんな生き急ぐかのような活動を続けている彼女ですが、世間では「エロかっこいい」というイメージが根付いている割に、実はかなり少女漫画的、感情が渦巻くウェットな詞を書く傾向にあります…これはレビューのたびに言っていますが。
 今回はしっとりバラードで、まさに恋に溺れる主人公の姿が浮かび上がってくる内容です。『もし私 ひとつだけ 願いが叶うとしたら/夢の中でもいいからと 逢いたいと願う』と、実に一途です。

 しかしこの曲、単なるバラードではありません。真摯で一途な想いは、相手も同じなのかというと決してそうではないことが、読んでいくとわかってきます。
 『もし君が この恋を永遠と呼べなくても/今だけは 嘘をついて 淡い言葉で信じさせてみて』…「私」は「君」のことをひたすらに想っているわけです。たとえ、「君」のほうがそうでなかったとしても。『あいまいな関係でもいい』『本当のことは言わないで』と、「君」は薄々その温度差に気がついていながらも、それでも自分の気持ちを止められない、諦められない…そんな何ともいえない悶々とした感情がここには込められているようです。

 嘘でもいいから、「恋」に浸っていたい。そんな内容なのに、タイトルは『愛のうた』というのは、どんな皮肉なのでしょうか。
 いや、もしかしたら皮肉のつもりではなく、ひたすらに想いぬく一途な愛を描こうとしたのかもしれません。自らの湧き出る感情に殉ずることが「愛」なんだ、と声高に主張したかったのかもしれません。もしそうなら、その主張自体には異論があるところですが、しかし結果的に描き出された世界は好きだったり。
 ちょっと聴くとありきたりのバラード風アレンジで、サビ部分の歌詞もオーソドックスな愛のささやきに聴こえてしまいそうなこの曲。ですが、だからこそ『さよならは 言わないでいて』と懇願する、いびつに膨らんだ愛情が何ともいえない切なさを感じさせます。


posted by はじ at 03:43| Comment(2) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(か行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。