2007年11月30日

過去ログ発掘のコーナー その29。

 メールマガジン「現代ポップス雑考。」のおまけコンテンツ「今日の一曲」。
 毎回そのときの気分で一曲選んで紹介するこのコーナーのバックナンバーから、新しいレビュー更新が滞ったとき、ちょこっとずつ抜き出して紹介していきます。メルマガを読んでいない人にはちょっとした暇つぶしに、読んだことのある人にも何か新たな発見があれば幸いです。



≪現代ポップス雑考。≫ Vol.090 2007/03/18
#椎名林檎「本能」

『朝が来ない窓辺を 求めているの』

 椎名林檎の2ndアルバム「勝訴ストリップ」は非常に手が込んだ作りになっていまして、全13曲の順番がシンメトリーに配置されています。
 どういうことかというと、中央7曲目に「罪と罰」があり、そこから6・8曲目がそれぞれ『アイデンティティ』『ストイシズム』5・9曲目が『闇に降る雨』『月に負け犬』…そして最終的には1・13曲目が『虚言症』『依存症』というふうに、楽曲が対置されているんですね。
 で、シングルとしてリリースされたこの12曲目「本能」に対置されているのが、今回「夢」にまつわる曲で紹介した2曲目「浴室」になるんですね。

 「本能」は『ずっと繋がれて居たいわ』『もっと中迄入って』など、相手から自分へのアクションを「積極的に求める」呼びかけがあります。
 対して、「浴室」は、『あたしが完全に溶けたらどうぞ召し上がれ』。自分から相手へのアクションとして、自分自身を晒していくのですね。

 受動的、というかM的でありながら相手を挑発し誘おうとする「本能」、
 能動的に行動しつつ、「召し上がれ」と相手へ隷属する「浴室」。
 どちらも最終的には自分自身を丸ごと相手に受け入れてもらおうとする衝動を歌っているのですが、それが見事なまでに対照的に描かれているのですね。

 そう考えてみると、「本能」はご存知の通り巻き舌フル活用の蓮っ葉な歌い回しで、「浴室」も巻き舌はあるけど整然として浮遊感のある声。このあたりも意識して対比させているんでしょうか…よくできてるなあ…

 他の対置された楽曲群もこういった対応が散りばめられていそうですが、恐ろしく労力を使いそうです。とりあえず椎名林檎の病的なまでのこだわりが垣間見えた2曲でした。

勝訴ストリップ
勝訴ストリップ
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 最近の彼女は、何でも一人で作りこみまくろうとせず、他の人に作曲を委ねてアルバムを製作するなど、広がりが出てきていますよね。こだわりが薄まった、というよりは、より大きく刺激的な世界を生み出そうと積極的になってきている、といったほうが正しいのかも。


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2007年11月29日

L'Arc〜en〜Ciel「MY HEART DRAWS A DREAM」

MY HEART DRAWS A DREAM
MY HEART DRAWS A DREAM
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<広がりのある曲調の中で描かれる「空への解放」は、決して「逃避」ではない>

 抜けのいいギターの音が爽快に響き渡り、デビュー当初から連綿と続く
 ラルクらしい透明さと広がりが味わえる、5ヶ月連続リリースの第一作。

 前作「SEVENTH HEAVEN」がやや意表をついた曲調だったぶんもあってか、非常に昔ながらのラルク美学を感じる新曲です。久々のken曲なのもポイントかも。「READY STEADY GO」以降では「叙情詩」だけと、近年シングルにはほとんど登場していませんでした。
 どちらかというとキャッチーなtetsu曲やhyde曲よりも、コードに対してかなり自由に動き回るメロディラインは、透明感や奥行きのある世界観を醸し出してきます。「ラルクらしい世界観」は彼あってこそ!だと個人的には思っていたり。

 音域のレンジが非常に広く、楽譜を見ると実に2オクターブ以上に渡ってラインが上下しているのがわかります。しかもメロが短いため、Aメロ→Bメロ→サビまでの流れが非常に速く展開し、そして音域が各パートでどんどん上昇していく形となっているので、一気に空へと飛び立っていくかのような感覚を与えてきます。
 そしてサビでは、ハイトーンのほとんどはファルセットで歌われているため、『何処までも高く 自由に舞うのさ』というようなフレーズが、より印象的に響いてきます。

 こうした曲調や「空」への志向、そして『遥かなる時を飛び越えてくのさ』というような、束縛から解き放たれたがる感覚は、従来の「ラルクらしさ」のど真ん中をいく要素です。
 ただ、そればかりではありません。以前は、空や自由への志向は、逃避というか、現実から抜け出そうとするような意味合いを帯びていました。しかし活動を重ねるにつれて、今回で言えば『逆風であろうと』『どんな褪めた世界でも』といった抵抗のある中を進んでいこうとする意志も生まれてきていまして。
 また、空を飛翔するのも、その先に『笑顔のままの君』を求めているわけでして。今この瞬間や現実とまったく別の世界へ行こうとするのではないのですね。

 また、タイトルにもなっている「夢を描く」こと、ここにも大きな変化があります。はじめは自分自身について歌っていたのが、最終的には『誰も皆』、『Our hearts draw a dream』と「みんな」にまで広がっていくのですね。しかも『夢を描くよ』はボーカルが後ろに下がっていて、「みんなで歌っている」雰囲気を感じさせるものになっています。
 自分だけでなく周囲を巻き込んでいく…こうしたスタンスもまた、当初にはない、新たに得た部分ではないでしょうか。

2007年11月28日

aiko「星のない世界/横顔」

星のない世界/横顔
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<何気ない日々にふと感じる「切なさ」と「愛しさ」/重過ぎない適度な「切なさ」>

 aiko両A面シングルは、どちらも「切なさ」を感じさせる内容。とはいえ、シチュエーションはまったく違います。

 まず、「星のない世界」のほう。こちらは最初は失恋の歌なのかなと考えていたんですが、どうもそうじゃないのかなと。サビだけを聴いたら、<失ってはじめてその大切さに気がついた/あなたとの日々を思い出すと強くなれる>という王道パターン2連続かなと思ったりしたんですが…現在進行中のカップルを歌っているみたいです。

 aikoって、こうしたミディアムテンポのしっとり楽曲が圧倒的に多かったりします。ドラマティックな展開よりも、こうした何気ない心地よさのある雰囲気のものが、彼女自身のモチベーションにもっともしっくりくるのかな、とか思ったりします。
 『昨日より少しだけ多めにあたしの事を考えてほしい』
 『思い出の帰る温かい匂いと共に抱きしめてほしい』
 日々の中で、ふと考えること。当たり前の生活の中にしみじみと相手の大切さや、自分の想いの強さ大きさを切々と見出す…どうもそんな描写になっているようです。

 こうした楽曲のフレーズを読んでいくと、なんというか、「何気なさ」を描き出すのが巧みだなあと感じます。大きな展開があるわけじゃなく、かつしっとりした曲調でも飽きさせないように言葉を繋げられるのは、やっぱり恋愛の細部を描写する彼女のスタイルだからこそ、ではないでしょうか。
 『許してくれるなら』『全部我慢してやっと溢れ出した涙』とあるので、すれ違いやぶつかり合いもこの前にあったのかもしれませんね。そのあたりを明確にしないところも、自然体の「思い」という雰囲気を醸し出しているのかもしれません。

 『星がない世界なら 目を閉じて証明するのに…』
 タイトルにもなっているこのフレーズですが、実はいまひとつピンときていなかったりします。なんか、すごくキレイな言い回しだし、感情もこもっているんだろうなあという一文なんですけど、じゃあ具体的にどういう感情を表しているんだろう?とちょっと考え込んでしまうのです。
 もちろん、そんなのは各自聴き手側で補完すればいい話です。もともと断片的な言葉の紡ぎ方をする人なので、自分なりにシチュエーションを補えばいいんですけど、個人的になかなかぴったりと落ち着かせられないのです。
 「たとえ暗闇の中でも…」と想いの深さを伝えようとする流れだろうなあとは考えつつ、目を閉じるのはなぜだろう?と。いろいろ考えましたが、自分の腑に落ちる解釈が見つかりません。いまのところ、「星がない暗い世界だったら、目を閉じてでもあなたとなら大丈夫なんだと証明できるのに」という、自分の想いの深さをなんとか伝えたいからこその空想なのかなあ、というのがもっともしっくり来るかな?続きを読む
posted by はじ at 23:47| Comment(4) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(あ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月27日

桑田佳祐「風の詩を聴かせて」

風の詩を聴かせて
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<余情をたっぷりと漂わせる「死別」の歌>

 今年は「明日晴れるかな」に続くソロ活動2枚目のシングルとなる桑田佳祐。今回は、ずいぶんと毒気がなく、シックさを感じさせるA面が続きますね。ドラマタイアップだった前作に続き、今回は映画「Life 天国で君に逢えたら」の主題歌として使用されています。

 タイアップの影響か、『波に舞い 帆揺れてた/人はもう亡い』と、死別をテーマに据えています。アコースティックな響きの中で、張り上げることなくかすれる独特の声は、哀しみを漂わせる雰囲気に満ちていますね。
 夢の中、『ひとりぼっちの世界で/かりそめの逢瀬』を求めてしまう寂しさと哀しさ。真夏の海辺の風景描写が、その感情をいっそう浮かび上がらせています。まさに、桑田が多用する「慕情」という言葉がぴったりの雰囲気。

 個人的には、雰囲気的にも内容的にもサザンの40thシングル「BLUE HEAVEN」に似ているなあと感じています。ただ、あちらは空想の「君」が舞い降りてくるのに対し、こちらは『天使のような翼で/空を翔べたなら/逢いに行きたい』と、ちょうど対照的になっているのが面白いです。
 また、『守ってくれたら/悲しみにはもう負けない』とあるように、ちょっと前向きな面も。相手のことを忘れるのではなく、胸に刻み付けることで、前に進んでいく…という流れは、このブログでも何度か取り上げているように、現代の失恋ソングの王道パターンですね。

 また演出のポイントになっていると感じたのは、サビの終わり方。これ、歌われているメロディラインだけ追っていくと、きっちり終わっていないような印象を受けるはず。これはちょっと聴けばわかりますが、その後に入ってくるソプラノサックスへと引き継がれ、そして最終的に着地するような流れになっています。
 問題はなぜこういう形にしたのか?ということですが、それは余韻/余情を漂わせる効果を狙っているんじゃないか、と推測できます。あえて歌いきるようにしないことで、その後の言葉のない部分で聴き手に想像の余地を与えているんじゃないかな?と、考えてみたのです。
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2007年11月26日

戻ってきました。

 この3連休、紀伊半島まで行ってきました。
 雄大な自然と、歴史ある熊野三山・古道に触れてきました。

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 帰ってきたらまたあれこれ忙しいのですが、ぼちぼち更新も再開していきます。よろしくです。
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2007年11月22日

東京事変「キラーチューン」

キラーチューン
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<人生は「贅沢」なもの・負の側面の自覚・実感を伝えるための表現>

 「OSCA」に続いて、2ヶ月連続でのリリース。そしてどちらも作曲は椎名林檎ではなくメンバーで、今回はキーボードの伊澤一葉が作曲を行っています。

 「OSCA」では作詞作曲ともに浮雲によるものでしたが、今回は作詞だけ椎名林檎自ら手がけています。
 彼女の一般的なイメージだと、旧仮名遣いを使ったりなど独特の表現方法が思い浮かぶ人も多いでしょうけれど、この「キラーチューン」はかなりその点おとなしく、わかりやすい言葉で綴られているといった印象です。むしろ「OSCA」のほうが抽象的・断片的で難しいと感じるはず。
 キラーチューン、というタイトルどおり…まあ彼女の場合もっと深く込み入った意図があるのかもしれませんが、この詞は、積極的に「貴方」に向けた想いを伝えようとしている感があります。『空も恋も騙せないよ/私は貴方の一生もの』なんて、びっくりするほどストレートな告白だったり。

 冒頭の『「贅沢は味方」もっと欲しがります』はインパクト大。「贅沢は敵だ」「欲しがりません勝つまでは」と叫ばれたという戦時中の標語を持ち出すあたりも、それに真っ向から対抗するあたりも、彼女らしいと感じる人は多いのでは。
 で、これも単にインパクトを狙っているだけじゃなくて、その後の『この感度は揺るがないの/貧しさこそが敵』に繋がってきます。どんなことがあっても、(世界へのor「貴方」への)感性をすり減らすことがないように生きていきたい…伝えたい趣旨は、きっとこちらにあるのでしょう。

 さらにこの流れは、その後も別の文脈へと拡大していきます。
 サビ『季節を使い捨て生きていこう』というようなフレーズも、それって「贅沢」な生き方だよなーと感じさせる表現。しかし、考えてみれば、時はどんどん流れるから、人間ってこういう風にしか本当は生きられないわけで。その贅沢さを噛みしめて、留まることなくどんどん「今」を感じて前に進んでいこう…という意味合いが込められているように思えます。
 この感覚は、その後『「今日は一度切り」無駄がなけりゃ意味がない』とも出てきますね。

 また、2コーラス目も『贅沢するにはきっと妬まれなきゃいけないね』と始まります。で、これは実に椎名林檎らしいフレーズだなあと。
 彼女の作風って、たとえば愛を語るときに「独占」したかったり「依存」したかったりと、強い愛情はある種の負の側面も伴うことを自覚していて、それを前提に翻弄されたりあえて引き受けようとしたり…というパターンがあるように感じます。このあたりの感覚も、きっと彼女としては無視できない部分なのでしょう。
 「贅沢する」を「強く深く愛し合う」と置き換えるとするとわかりやすいですね。誰よりもお互いを求め合うということは、その他の人間を疎外する、差別するということでもある。それを自覚し、その上で愛し合おうとする覚悟がここにはあって、だからこそ「私」の強い愛情が浮かび上がってくるわけです。
 ただ「好き」と言い、二人が想い合う素敵な世界をイメージや空想で生み出すことも、歌という表現方法では可能です。でも、彼女としてはそういうことはしたくないのでしょうね。きっちりと生の手触りを持った感覚や思考を表現したいというスタンスなのでしょう。


 椎名林檎の場合、難しいと思われがちな表現の裏には、単純には表現できない/したくない感情を何とか表現したいというような執念めいたものを感じることが多いです。すべてがそうなのかもしれません。難解で読み取れなかったり、うまく解説できないものも多数ありますが…
 で、今回は、かなり明快な中にも、やっぱり一筋縄ではいかない部分と、だからこその奥深さを感じさせるフレーズが多いなあという印象でした。
posted by はじ at 08:55| Comment(4) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(た行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

更新お休みのお知らせ。

 この週末、ちょっと旅に出てきます。
 その間、ただでさえ遅い更新がストップします。すみませんがよろしくお願いします。
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2007年11月21日

吉井和哉「シュレッダー」

シュレッダー
シュレッダー
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吉井和哉
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<過去を失うこと、消していくことに嘆かない強さ>

 ソロになってから、特に今の吉井和哉名義になってからはどちらかというと内省的でストイックな内容の楽曲を多くシングルリリースしている印象です。が、久しぶりに彼の特徴である「妖艶さ」がぷんぷんと漂ってくるような歌だなーと感じました。
 『あぁそばにいて そばにいて』のような、べったりと湿った語りかけ。『絡み合った 探り合った』と、ちょっとエロティックな香りを感じる表現。言葉の字面以上にえもいわれぬ妖艶さが立ちのぼってくるのは、やはり本人の特質がそうさせるのでしょう。

 とは言いつつも、この歌に込められているテーマの本質は、そうしたエロスの面ではないようにも思えます。「WINNER」がそうだったように、「静かなる強さ」のようなものを感じさせてくる、そう感じるのです。
 たとえば、『神様にあったらこんな風に言うんだ/「どんな目にあっても生きていたいです」』というこのフレーズは、非常に確固とした硬い信念を感じさせます。それでいて、積極的すぎることもない。力強くはあっても、力んではいない、そんないいバランスの上に立っているなあと。
 感動的すぎず、かつ感傷的すぎないフレーズの淡々としたテンションもそうですし、何よりもこの局の中心である『背中のシュレッダー』にも、そんな方向性を感じ取ることができます。

 シュレッダー、というモチーフは、あまり見かけないものです。かつ、たいていの人は、そこに掛けられているのはあんまりいい意味合いじゃないんじゃないか、と思うことでしょう。実際、『楽しかったあの日は/背中のシュレッダーにかけ』と、いい思い出を切り刻んでなくしてしまっていく、そんな文脈で使われています。
 ただ、そこには、嘆きはないように思えます。ま、ちょっとはあるんでしょうけれど、『背中のシュレッダーにかけ/だからかすぐに消えた』と飾り立てもせずに述べる雰囲気には、激しい感情は込められていないように感じます。今までのことを「シュレッダー」にかける=忘れていく/失っていくことに抵抗せず、ただあるがままに受け入れていく…そんなスタンスが表れているんじゃないかなと。

 過去を粉砕していくシュレッダーは「背中」にある、ということもポイントです。この「背中」は、ひとつには「目の前を過ぎ去ったそばからすぐに」思い出は消えていってしまう、ということを表現したかったからかなあと推測します。
 そして、自分の体にくっついていると示すことで、受動的に「消えていってしまう」ではなく、能動的に「消していく」ものなんだ、ということも同時に示しているのでは…と思えるんですね。
 そこに悲哀はありません。余計な感情はありません。自ら過去を消去し、そのうえで、未来を受け止めていく。ひたすらこの繰り返しを受け止め受け入れている、そんな凄みをひたひたと感じます。

2007年11月18日

メルマガ、Vol.124発行。

メールマガジン≪現代ポップス雑考。≫
Vol.124 2007/11/18 発行部数:めろんぱん 445/まぐまぐ 158

<雑考バトン:新曲レビューリレー>
ASIAN KUNG-FU GENERATION「アフターダーク」
 〜初期衝動を守りつつ、強めのメッセージ

<新着レビュー>
中島美嘉「永遠の詩」
 〜言葉の有機的な繋がりが、広さ深さを作る

<年間チャートより抜きレビュー>(2002年)
元ちとせ「ワダツミの木」
 〜民族性と独創的な曲世界、ふたつの斬新さ


 来週のメルマガは、3連休で旅行に行く計画のため、お休みします。
 ブログ更新もちょっとストップしますので、すみませんがよろしくです。


 ※メルマガについての詳しい説明は、こちらへどうぞ。
  バックナンバーも開放しています。
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2007年11月17日

the brilliant green「Stand by me」

Stand by me
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the brilliant green 川瀬智子
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<「バンドでこそのスタイル」再発見>

 1998年「There will be love there -愛のある場所-」でブレイクした通称「ブリグリ」。ボーカル川瀬智子のソロ活動により活動が途切れていましたが、実に5年近くのブランクを経て活動再開です。

 重々しい音を中心に据えたUKロック的サウンドは健在。歌詞もまた、初期の一般的なブリグリのイメージにちょうど沿うもので、復活!のアピールにはちょうどいい楽曲なんじゃないかなと思います。

 ブリグリは、元々は全英詞でシングルを出すなど、かなり硬派な音楽性を持っていました。ただ、活動を重ねるごとに、たとえば「愛の♥愛の星」など、タイトルからして愛らしく、ポップ寄りな内容にも手を出すようになってきまして。おそらくはそういった方面への表現欲求が、打ち込み&メルヘンなTommy february6という形に昇華したのだろうなあと。

 Tommy february6は、「川瀬智子の別人格」という設定がなされています。また、もうひとつのソロプロジェクトTommy heavenly6も同様で、トミフェブとトミヘブはそれぞれ陽と陰、対を成す存在という位置付け。その他、その両者の関係など、かなり細かい設定が作られているようです。音楽性的には、トミヘブは重めのサウンドがthe brilliant greenと近く、こちらの活動を開始したときには「なんでブリグリでやらないの?」と考えてしまったものでした。
 ただ、こうしてブリグリが復活してみると、やっぱり違っていたんだなあと。ソロ活動に厳密なキャラ付けをするくらいですから、おそらく最初からその辺はしっかり考えて、曲を作り分けていたんじゃないでしょうか。

 『誰かのために泣けるなんて/わからなかった』
 今回の歌詞は、リアルな手触りがあります。フレーズの端々から、「現実」の匂いが漂っているんです。
 トミフェブもトミヘブも、その世界には多分にファンタジーが含まれ、空想的なイメージが非常に多かったです。まあ、別人格という設定を提示したことからして、もうすでにフィクション、作り物なんだと宣言されていたようなものですし。
 ソロとバンドの差は、大元はこうした楽曲世界のスタンスに拠る差なんじゃないかなと。

 『心を覗けたなら/今すぐに 楽になるかな…』というつぶやき。もしこれがソロ作品だったとしたら、トミフェブならここから楽しく空想を膨らませ、トミヘブならこうした現実逃避をしたまま沈んでいたりしていたのだろうなあと。
 でもそうではなく、空想に耽りっぱなしになるのではなく、何があるのかわからない『錆び付いた世界』=「現実」を見据えていこうとする感情が、この曲からは漂ってきているように感じます。
 『傷ついてもいい それより/違う自分を見てみたい』というのも、何か決意表明みたいに思えますし。

 サウンドにしても、心なしかアコギは生っぽさを重視して録っているような気にさえなってきます。厚みのあるサウンドと柔らかいボーカルはその中にトリップしそうな感覚を覚えますが、その立脚しているところは「夢」ではなく、あくまでも「現実」のようです。
posted by はじ at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(は行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月16日

ザ・クロマニヨンズ「ギリギリガガンガン」

ギリギリガガンガン
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ザ・クロマニヨンズ 真島昌利 甲本ヒロト
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<衝動を保ち、意味を捨て、よりナチュラルなスタイルへ>

 真島昌利作詞作曲の、シンプルなロックンロールチューン。映画「ワルボロ」の主題歌、西原理恵子が映画タイアップに合わせたジャケットのイラストを手がけるなど、話題性も豊富でしたが、そこで歌われているのは『ギリギリガガンガン ギリギリガガンガン』というサビだったりします。

 甲本ヒロトと真島昌利は、これでもう20年以上に渡る付き合いで、バンドもTHE BLUE HEARTSにTHE HIGH-LOWSとこれで3つめとなりますが、またクロマニヨンズではちょっと変わってきたなあと感じます。
 ブルーハーツ初期は、シンプルにメッセージを叩きつけるというような作風でした。後期からはちょっと叙情的だったりひねった内容が増え、ハイロウズでは強烈なメッセージ性は薄れたものの、裏には伝えたい何かがあると感じさせるような表現も多々ありました。
 クロマニヨンズは、「タリホー」にしても「紙飛行機」にしても、そして今回にしても、変わらないロックへの初期衝動はビンビンと感じます。音とか、ハイロウズ時代よりも余計なものが削がれたむき出し感がありますし。
 そして、メッセージ性を前面に打ち出さなくなりました。むしろ、「ギリギリガガンガン」なんて擬音語を持ち出すあたり、メッセージや意味を遠ざけよう、無くそうとしているようにも感じられます。

 『なりふりかまわない ロマンチックだ』というスタイル、『自分でわかるぜ 自分で決めるぜ』というスタンスは、ブルーハーツ時代から一貫して続いているように感じます。しかし、昔のように、社会やら世界やら何やかやを仮想的にしたり打ち倒そうとしたり、聴く側をアジテーションするような呼びかけではないです。ただ自分自身に向けて、わざわざ立ち位置を確認するというような大げさなことでもなく、自然に自らを出し切る。
 経験を積み重ね、しかしそれで本質は変わることはなく、むしろよりナチュラルになってきている感があります。こんな境地になれたら、それはきっと『今日は最高の気分だ』と思えることでしょう。なぜ最高なのか?なんてどうでもいいとばかりのこの歌は、考えさせられることなく、実に痛快に響いてきます。
posted by はじ at 20:28| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー男性(か行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月15日

過去ログ発掘のコーナー その28。

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≪現代ポップス雑考。≫ Vol.083 2007/01/28
#平井堅「even if」

『君も少し酔った方がいい そして僕の肩に寄りかかればいい
  だけど全ての言葉をまた飲み干して 君から目をそらした』

 セールス的には確かあんまり伸びなかったんですが、平井堅の中ではもっとも好きなのがこの曲です。

 想いを寄せる「君」には恋人がいることを知っていながら、お気に入りのバーに連れてくる。そういう具体的なシチュエーションの中で、『“たまたま見つけたんだ”』と装ってみたり、心のどこかでは「あわよくば…」を狙っていながらも、「全ての言葉を飲み干して」しまい踏み出せないあたりがとてもリアルです。

 非常に槇原敬之を想起させる内容でもありますが、マッキーだと主人公の「僕」はたぶんもっと善人になるんです。「あわよくば…」を狙っている自分にちょっと自己嫌悪が入ったり、『うれしそうに 彼にもらった指輪を眺めてる』「君」を、その幸せな笑顔を曇らせたくないとかなんとか言って、自分の気持に区切りをつけようとしたりするはず。絶対。「80km/hの気持ち」でも「彼女の恋人」でもそうでしたし。

 でもこの曲の「僕」は、そんなに優等生ではありません。「あわよくば…」に罪悪感はないあたり、大人なのかもしれません。
 が、それでも踏み切れないところが、より感情のねじれを感じさせるんですね。「彼」のことを話す「君」の『言葉をさえぎるためだけ煙草に火をつけた』りする。これは映像的には大人の駆け引きっぽい描写でもありますが、その実はすごく子供っぽい焼きもちですしね。

 ただ行動に移せないというだけでなく、酔いの勢いもあるのに、というところもポイントです。しかも酔ったのを『その責任は君なんだから』ですからね。いい具合に情けなくて、好感が持てます。


even if
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松原憲 URU 平井堅
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 今年もこの曲が似合う季節がやってきました。というか、勝手に冬のイメージにしているんですけれど。
 大人な片想い。またこういうの書いてほしいなーと思っています。
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2007年11月14日

TOKIO「本日、未熟者」

本日、未熟者
本日、未熟者
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船山基紀 山原一浩 TAKESHI 久米康隆 TOKIO 中島みゆき オオヤギヒロオ
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<歌い手の方向性に合わせた提供と、提供者に合わせた歌い方>

 昨年、話題になりスマッシュヒットした「宙船」と同じく、中島みゆきの提供曲。と説明しなくてももう一発でわかるくらい、らしさが全開の一曲です。メロディラインとか、「宙船」よりも顕著なくらい。
 中島みゆきも楽しんで作っているんじゃないかなーと思えるんですが、どうなんでしょうね。彼女は、「地上の星」からこっちかなり空想的なモチーフだったりを使いながら、スケール大きくメッセージを投げかけてくる作風になっていますが、前回も今回も本人が自分で歌うだけでは作らないような、強気で豪快なフレーズが多い気がするのです。
 『野望はあるか 義はあるか 情はあるか 恥はあるか』なんかはまあアリだとしても、『わたくし本日、未熟者』という口上なんかは、ちょっと本人の路線とは違うように感じるんです。この前でも「ひかりのまち」を歌ったように、男気を匂わせるこのところのTOKIOのキャラクターに沿おうとしたり、彼らが歌う際の面白さを考えて入れているような。

 言葉だけを追うと、自称・未熟者が自問自答しながら『やさしい人をおろおろと探しているんです』という、ただそれだけの内容です。これ、すっごく暗く絶望的な歌にもなりそうなものですが、そうならないのはひとえに力強いメロディラインと、中島みゆき調に合わせた歌い方のせいでしょうね。
 嘆くのではなく、未熟だからこそ気をしっかり持って死に物狂いで生きていこう!みたいな感情が(ひとことも書かれていないのに)漂って感じられるのは、そのせいでしょう。

 ちなみに、中島みゆき調は、1.骨太な声、2.あえて濁るような力の込めた歌い方、3.伸ばしの音の強調、この3つを押さえるとけっこう近付きます。
 1はわかるとして2と3についてですが、サビのラスト『わたくし本日、未熟者』の部分で説明すると『未熟者』⇒「み゛ぃ〜じゅ〜く〜もの〜」…という感じ。リズムがその前より前倒しになる「み」が気合の入るぶん濁り、最後の伸ばしも拍の頭で「お」をもう一回発音するくらいの勢いで当てています。
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2007年11月12日

mihimaru GT「俄然Yeah!」

俄然Yeah!
俄然Yeah!
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守尾崇 鈴木Daichi秀行 宮内和之 Masao Kuzuba mihimaru GT hiroko mitsuyuki miyake
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<打破するための「現状」を、ユーモアたっぷりに積み上げる>

 タイトルからしても「気分上々↑↑ 」の路線ということがよくわかる、ハイテンションな元気ソング。しかし、単にヒットシングルをなぞっただけの安全牌ではないなーと感じました。

 「気分上々↑↑」はディスコっぽい描写に現代語っぽい言葉を織り交ぜた、いかにもな「アゲアゲ」楽曲でした。今回もアゲアゲなのは間違いないんですけれど、そこに描かれているのは『いつもの通勤電車に揺られ』て毎日を送るOLの姿。
 なんというかこのユニットって、「気分上々↑↑」のインパクトもあり、もっと下世代向けのイメージがあったのですよ。行って大学生世代くらい、というか。なので、まずOLという素材を選ぶことにちょっとビックリしてしまいました。
 そうでなくたって、いま等身大の働く女性をはっきり取り上げるような歌って、あんまりありませんし。パッと思い浮かぶのは、後藤真希「今にきっと…In My LIFE」くらいです。

 90年代前半くらいまでは、OLの等身大な生活を綴った歌はけっこうあったような気がするんですが、するだけでしょうか?男性にしても、仕事がどうこう、みたいな内容の詞って、ユニコーン以来ほとんど皆無ですし。「忙しい日々」とかでたいていは済まされてしまいます。
 音楽というものは(特にポップスなんてものは)いっとき夢心地に浸るためのものであって、男性にしろ女性にしろ、生活感が出すぎてしまうと、トリップができなくてダメなんでしょうね。

 で、そこであえて『お茶汲み 書類コピー』という定番から『ゆるキャラの枕とおはよう。/週1度のブログ更新 溜まり溜まったグチを送信』なんて最近ぽいセンスまで、ものすごく現実的というか夢のない生活を描いているこの曲です。もうこれは、明らかに狙ってやっていて。あえてダレダレの生活を描くことで、『歌え Yeah! 俄然はりきってほら Dance!』みたいなサビの爆発力とのギャップを出しているわけです。
 本当にOLに感情移入して書いている…っていうよりは、そういう平凡で『でも何かココロが満たされない』日常を思い切り吹き飛ばそうとする明快な意志のために紡ぎ上げているんだろうなあと。あえてディテールにまでこだわってまで。

 前回の「パンキッシュ☆」なんかでもそうでしたけど、意図的なキャラ設定とか舞台設定とかが意外と考えて面白いことやろうとしているんだなあと感じました。
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2007年11月11日

メルマガ、Vol.123発行。

メールマガジン≪現代ポップス雑考。≫
Vol.123 2007/11/11 発行部数:めろんぱん 444/まぐまぐ 157

<雑考バトン:新曲レビューリレー>
中島美嘉「永遠の詩」
 〜新しさを取り込みつつ、らしさ溢れる曲調

<新着レビュー>
BUMP OF CHICKEN「花の名」
 〜「言わないで伝える」表現への飛躍

<年間チャートより抜きレビュー>(2002年)
モーニング娘。「そうだ!We're ALIVE」
 〜黄金期、貫かれていた楽曲スタイル


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  バックナンバーも開放しています。
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2007年11月10日

槇原敬之「GREEN DAYS」

GREEN DAYS
GREEN DAYS
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槇原敬之 NORIYUKI MAKIHARA
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<かなり硬さも砕けて、程よくなってきたバランス>

 ひさかたぶりにポップなマッキーが戻ってきました!と、思わず興奮してしまいたくなる、通算36枚目のシングル。

 コードだけを見るとマイナー解決なんですけれど、あんまり暗く聴こえないどころかとても開放的。鐘っぽい音色とかも、90年代の頃の作風を感じさせる、懐かしいものです。

 歌詞のほうも、ずいぶん力が抜けてきました。『自分の心に見つけた/暗闇に灯をともすんだ』など、やっぱりストイックな部分もなくなってはいないんですけれど、変にマジメすぎなくなってきています。あんまり自問自答したり抽象的なイメージや寓話を使って「救い」とか「正しさ」みたいなものを見出そうとかしなくなってきたなあと。
 たとえば、まず『君といたからだ』。自分ひとりで悩んで解決してしまうんじゃなく、「君」の存在を確かに必要としています。
 そして『ダイニングを出た僕らに/湿った夏の夜風』なんてフレーズ。ここには、何も意味は込められていません。何かを説明する、主張するための言葉ではなく、ただの素敵な表現になっています。
 細かいところで言えば、「サイテー」「ホント」みたいなカタカナ表現も、やっと使えるようになってきたのかなあと。肩の力が抜けないと、こんな砕けた書き方はできないはずですから。

 そういうわけで、ずいぶん身が軽くなったような印象を受けました。活動再開後の彼の紡ぐ言葉は、どこかなかなか直らないリハビリを続けているような痛々しさがあったんですけど、ようやく戻ってきたなあ…と感慨深いです。
 まあ、昔を知らなかったり、別に戻らなければいけないこともないんですけどね。でも個人的にはやっぱり嬉しいですし、メッセージもありつつポップな今くらいのバランスは、ちょうどシーンの雰囲気にも合っているんじゃないかなと思います。
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2007年11月08日

YUKI「星屑サンセット」

星屑サンセット
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YUKI
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<想像をかきたてる、色とりどりの断片的なイメージ>

配信限定曲「ビスケット」を挟み、ドラマ「パパと娘の7日間」主題歌となったYUKIの16枚目のシングル。明るく突き抜けたポップなYUKIらしい曲になっています。

『たったひとつの光 願い込めて』というフレーズからは片想いの歌という気もするし、『泣きだしそうな 笑顔を 忘れないよ』とあるから別れの歌なのかな?とも思えます。
 結局のところ、この歌にはさまざまな断片が詰め込まれてはいるものの、ひとつの明確なストーリーがあるわけではないようです。あくまでも、物語の切れ端の、おいしそうなイメージをどんどん詰め込んでいる、といった感じ。

 この詰め込み具合は、タイトルからも感じられますよね。『夕焼けに 流れ星』というふたつの取り合わせ、だけでなくさらに『咲いたばかりの花火』まできらきら輝いている、この賑やかな空模様。おまけに『あの子は太陽』ですし、同じ空に属するイメージがこれだけ多いわけですね。

 綺麗なモチーフをぎゅうぎゅうに詰め込んだり、『風を追い越して 裸足で つまづいて』とか『泣きだしそうな 笑顔を 忘れないよ』(これも「泣く」と「笑う」)なんて1フレーズだけで響きのいい言葉を並べたりすることで、まるでキラキラした宝石箱のような一曲になっています。で、おそらくはそうした効果を狙って、あれこれと素敵な言葉やイメージを次から次へと並べているんだろうなあと。
 言ってしまえば「ノリ」重視の詞です。「JOY」でリズムを意識して言葉を乗せていたり、「メランコリニスタ」で音やメロディに言及するようなフレーズを混ぜたりしているのと近い作り方ですね。

 YUKIはもともと、ひとつの明確なメッセージを打ち出したり、ストーリーを紡いだりはしない人です。もっと断片的なイメージを並べて、そこから何かを浮かび上がらせたり、あるいは何も暗示せず、並べた感じそのままをひょいと提示する形。
 緻密な構成でメッセージに説得力を持たせたり、ドラマティックなストーリーを描くことに力を注ぐのも表現の道ですが、あえて言葉をバラバラに散らすのもひとつの手法です。これがうまく表現できると、聴き手にいろいろと想像/解釈をさせることに繋がるわけです。

2007年11月06日

リア・ディゾン「L・O・V・E U」

L・O・V・E U
L・O・V・E U
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<「ベタ」な甘さを狙える背景>

 00年代的なトラックや音作りに乗って、どこか90年代的な懐かしさも漂う恋愛まっしぐらな詞。グラビアアイドル界の黒船と大人気を博しているリア・ディゾンの歌手活動は、3作目のこの曲までほぼ同じ路線です。

 これはもう明確に「アイドル」路線といっていいでしょう。『いつだって あなたの事ばかり/考えちゃうの 何でかな?』とか、『もし涙を流すなら/それはあなたの前だけだよ』とか、ひとりの相手「あなた」に向かってまっすぐにかわいらしく気持ちを投げかける…聴き手のファン心理をくすぐる書き方だ、と言えるわけです。
 「〜だよ」「〜よね」という語尾からも、呼びかけ感が漂ってきますよね。多少古い気もしますが、それは「お約束」でもあるので、あんまり問題ではないのです。

 こういう正統派アイドルな歌っていうのは、近年あまり出ていません。ハロプロ系ユニットはもっと、わざと崩した感じを意図的に入れることでヒキを強くしていますし、女優のシングルにしても、柴咲コウみたいな個性を発揮したり、あるいは恋を主眼に置かずにメッセージ性を持ったものが好まれる傾向にあるからです。ERIKA「FREE」とかですね。恋愛要素を含んでいても、そこに自分の成長を絡ませたり中性的な雰囲気にしたり、あんまりスイートな雰囲気を醸し出すものは主流にはないように感じます。
 これはもはやポップス全体での潮流でもありますし、またその中で女性ボーカルの場合「媚び」にも映やりすいので、あんまり今好まれていないんじゃないかなと。

 リア・ディゾンが正統派の甘いラブソングを歌うのは、ひとつにはターゲットがファンにしか向いていないから、というのがあるでしょう。同性を取り込もうとすることは考えていないんじゃないかなと。すでに大人気だし、歌で売っていくわけでもないわけですから、新しくファン層を広げる必要もなさそうですし。
 もうひとつには、外国出身だからという点もあるでしょう。同じ場所よりも、異郷出身者のほうが、こうした直球な作風って受けやすいのですよ。それは古くは「沖縄」出身者の信奉、そして近くは「韓流」ブームにも見てとれますよね。

2007年11月05日

RSP「Lifetime Respect-女編-」

Lifetime Respect-女編-
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yamato51 RSP dozan
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<ただ応えるだけが「アンサー」じゃない?>

 今から6年前にスマッシュヒットとなった、レゲエに乗せた直球プロポーズソング、三木道三「Lifetime Respect」。男性から女性に向けたミリオンヒットシングルに対し、女性側からの返答として作られたのが、このアンサーソングです。

 このRSPが何者かというと、肩書きは「HIPHOP・R&Bダンスユニット」。ソニーミュージックエンタテインメントと読売テレビが主催したオーディションプロジェクト「REAL STREET PROJECT」の選抜メンバーで結成された、女性ボーカル×2・ダンサー4という構成のユニットです。
 そのためか、三木道三の原曲よりもR&Bの色合いが感じられる、しっとりした雰囲気になっているように思います。

 サビは、原曲の『一生 一緒にいてくれや』をサンプリングした後で、『嬉しいよあたしを選んでくれて』と答えていく形式。『ちゃんと俺に愛さしてくれや』⇒『ちゃんとあたしに愛さして欲しい』とか、『けど欲しいお前との赤ちゃん』⇒『あんたの子供産んで育てたい』のように、原曲のメッセージをそのまま投げ返しているなあという印象があります。
 原曲で「言われた」セリフをすべて丁寧に拾い投げ返していくあたりは、愛情の量や、二人の関係は対等だ!という意図があったのかもしれません。

 プロポーズソングへの返答という目の付け所、そして原曲ときちんと相対している姿勢は評価できます。まあ、ただ、それ以上の広がりがあるかというと…と考えると、原曲を反対側からなぞった程度かなあという気も。
 それは原曲に対して真摯な態度だとも言えるので、原曲が好きだった人は楽しめるかと思うのですが、そうでない人にはどうしても「話題づくりのためにこしらえた曲」という印象を持たれやすいのではないかなと。

 例えば、『今の気持ち 子供や孫に伝えたい/二人の両親に感謝伝えたい』なんていうフレーズは、ひたすら二人で生きることについて語っていた原曲にはなかった部分です。こういう部分がもっと意図的に取り込まれていたなら、より面白いし意義のあるものになっていたんじゃないかな?と思ったりするわけで。あるいは、男性のメッセージである原曲に対し、もっと女性らしいアプローチをする、とか。本来アンサーソングとは、何らかの形で原曲を元に新しいものを生み出していくものですし…

 まあ、でも考えてみると…プロポーズしてきた相手の言葉を、ひとつひとつ、丸ごと受け入れていくというスタイルそのものが、女性側の深い愛情だとも言えるのかもしれません。
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2007年11月04日

メルマガ、Vol.122発行。

メールマガジン≪現代ポップス雑考。≫
Vol.122 2007/11/04 発行部数:めろんぱん 440/まぐまぐ 157

<雑考バトン:新曲レビューリレー>
BUMP OF CHICKEN「花の名」
 〜しみじみ情感を込めた楽曲も我が物に

<新着レビュー>
安藤裕子「海原の月」
 〜奥行きのある感情を表現する曲とイメージ

<年間チャートより抜きレビュー>(2002年)
GLAY「Way of Difference」
 〜人生の重みと切ない情感を併せ持つ


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2007年11月03日

UVERworld「シャカビーチ〜Laka Laka La〜」

シャカビーチ~Laka Laka La~
UVERworld TAKUYA∞ 平出悟
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<「夏」の相反するテーマをひとつの楽曲に溶かし込む>

 ハイトーンボーカルとロック&ラップの融合したミックスチャーサウンドを展開するUVERworld。ジャンルを問わずどんな要素でも取り込むスタイルということらしく、今回の曲ではラテンのリズムや楽器群を投入しています。

 夏の熱気にアダルトな要素をプラスした、かなりギラついた展開と内容。『横ぎった ビキニ ガン見のscope』なんて歌うラップ部分ではじっとりと重みをつける一方、すぐにぐっとハイトーンに広がっていくレンジの広さは特筆ものです。内にこもる熱から、サビで歌われている『夏が今 僕の心 広げてく』というフレーズのように外に広がる熱まで、両方を一曲に収めています。

 冷静に考えると、『今宵も探す恋愛のゲーム』の中で『ロックオン 一人だけ/ロックオン 苦渋の選択』をするという流れと『砂浜の君の足跡/見つけ出すから』とたった一人運命の人を選ぶというようなフレーズは、両立しないような気もするのですが…
 まあ、あんまり細かいことが気にならないほど、「夏の恋愛ゲーム」「アダルトな熱帯夜のムード」「爽やかに広がりのあるイメージ」「運命の人との運命的な出会い」なんて欲張りに取り入れたテーマがうまいこと融合できているように感じました。
 それに、最後に極小音で吹き込まれているシークレット歌詞。これ、正規歌詞内の上記の矛盾を踏まえて作られているようにも感じますし…
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2007年11月02日

Every Little Thing「キラメキアワー」

キラメキアワー
キラメキアワー
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Masafumi“Massy”Hayashi Yasunari“Nam-Nam”Nakamura Every Little Thing Kaori Mochida
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<明確な意図に裏打ちされた表現で、我が道を行く>

 なんというか、もうあんまり大ヒットには興味がないのかなー、という印象です。こういうのやりたいから、好きな人だけついてきて、みたいな。

 Every Little Thingの新曲は、爽やかさを感じさせるポップなナンバー。ほぼ1年ぶりの新曲となりますが、近年のELTの変化を見て取るには格好の題材です。

 まずは曲。Aメロの大部分がコードの上にない音になっていますが、このことで聴き手にわかりやすさ/インパクトを与えるよりも、抜けのある響き/すっきりした雰囲気を作ろうとしています。これはサビ最後の歌い終わりにも共通することで、主音、いわゆる「ドレミで言うところのド」で終わっていないため、明確に「ハイ終わり」となるわけではなく、そのぶん先に続いていくような広がりを、余韻に持たせる形になっています。
 定型的な王道ラインを、少しずつ「あえて」外している感がありますね。

 90年代、五十嵐充がメンバーに在籍しシングルの作詞作曲を行っていた頃とは違い、サビと言えどもハイトーンに頼らない流れになっているのもポイント。当時の持田香織のハイトーンは、かなり粒がはっきりしていて、そのぶん耳に残るという点はありました。
 が、そうした発声はこの曲では使われていません。印象の強さよりも、後ノリ・シンコペーション多用の曲調に沿い、流れていく音楽を壊さないような、さらっとした雰囲気を重視したかったのかなと。
 …まあ、歌を聴いていると、単純に高音があんまり伸びなくなっているような気もしますが…

 言葉は、まず目に付くのは「ハイファイ メッセージ」で見せたような、普通は漢字で書くような語にもひらがなを用いているところ。ひらがなを多用して柔らかな感触を作る、というのは言語表現の定番ネタではありますが、かなりこだわって実践しているのがわかります。
 『どこにだってとべるんだ』『夏は あさやけと かがやきのアワー』など、普通は漢字で書くような語もひらがなに変えていたり、『そう みあげてごらん 御覧よ』というフレーズを見ると、ただひらがなにするというのではなく、明確な意図を感じますよね。まずはひらがなで優しく語りかけ、その後「御覧よ」と漢字で付け加えることによって「強さ」を出そうとしている…というところではないでしょうか。
 その他、「ほぅら」という言い方などからも、同じような方向の表現意図を感じました。

 持田香織は、歌い方も変わってきた感がありますが、合わせて詞のほうもあれこれと考えて工夫しているなあと思います。今回くらいになると、かなり肩の力が抜けて、幅も広がってきている気が。
 たとえば「キラメキアワー」というタイトルに対し、曲中では『夏は ときめきと きらめきの泡』と歌っていまして。「泡」と「アワー」をかけているわけです。こういう表現って、変に「カッコいい詞を書こう!」みたいな意識があると避けてしまいがちなタイプのものですが、その辺もさらっと入れられる遊び心があるわけで。

 そして、このフレーズ部分での「ときめき」「きらめき」の言葉選びについては明快ですが、実は冒頭でも『さぁ ゆこう ひらめきの空へ』とありまして。この「ひらめき」も、おそらくは関連させて選んだ言葉だろうと。部分ごとではなく、全体に気を配って詞を練り上げていることを感じさせてくれる箇所でした。
posted by はじ at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(あ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月01日

過去ログ発掘のコーナー その27。

 メールマガジン「現代ポップス雑考。」のおまけコンテンツ「今日の一曲」。
 毎回そのときの気分で一曲選んで紹介するこのコーナーのバックナンバーから、新しいレビュー更新が滞ったとき、ちょこっとずつ抜き出して紹介していきます。メルマガを読んでいない人にはちょっとした暇つぶしに、読んだことのある人にも何か新たな発見があれば幸いです。



≪現代ポップス雑考。≫ Vol.074 2006/11/26
#ユニコーン「すばらしい日々」

 『君は僕を忘れるから その頃にはすぐに君に会いに行ける』

 矢野顕子がデビュー30周年ということで。雑誌「SWITCH」や糸井重里の「ほぼ日」に特集として、本人坂本龍一と糸井重里との対談が掲載されたりしています。

 ユニコーンの曲じゃないの?とツッコミがありそうですが、自分にとってこの楽曲は、矢野顕子カバーバージョンのほうに圧倒的なインパクトがあるんですよね。特に、奥田民生・鈴木慶一・宮沢和史・大貫妙子と行ったライブを収録した「LIVE Beautiful Songs」のバージョン。3拍子に大胆にアレンジされつつ、ピアノとあの独特の声がふわふわと奔放に楽曲を塗り替えていき、そしてものすごく感情を渦巻かせて押し寄せてくる衝撃は相当なものでした。

 もちろんこれは原曲が先に存在しての感想でして。たぶん原曲は、引用したような部分や『懐かしい歌も笑い顔も すべてを捨てて僕は生きてる』などの言葉を淡々と歌う、そこにポイントがあるはずなんです。裏返せば「君」が「僕」を忘れない限りは会いに行けないとか、全てを捨てて生きている今を「すばらしい日々」と言っているとか、どこか皮肉さや哀愁を感じさせるような言葉を、ただ淡々と歌うことに。

 歌とピアノだけでものすごくドラマティックな矢野顕子版は、対照的な作りなんですね。だから本当はこっちに揺さぶられてしまうのは、ある意味「邪道」なんですが…

 とにかくこの人は、唯一無二の歌い手です。そのうちじっくり全作を聴き込んでいきたいところです、ほんとに。


ザ・ベリー・ベスト・オブ・ユニコーン
ユニコーン UNICORN 奥田民生 川西幸一
ソニーレコード (1993/11/26)
売り上げランキング: 400


LIVE Beautiful Songs
LIVE Beautiful Songs
posted with amazlet on 07.11.01
オムニバス 鈴木慶一 奥田民生 宮沢和史 大貫妙子 矢野顕子 白井良明 ステファン・ドゥポント
EMIミュージック・ジャパン (2000/10/18)
売り上げランキング: 22308


ユニコーン・トリビュート
東京スカパラダイスオーケストラ MONGOL800 TRICERATOPS GRAPEVINE 真心ブラザーズ DOPING PANDA CHEMISTRY PUSHIM つじあやの 吉井和哉
SE(SME)(M) (2007/10/24)
売り上げランキング: 29




 ユニコーンのトリビュート、そして奥田民生ソロのトリビュートが同時発売。参加メンツはとにかく超豪華。ということで、両方合わせて購入しました。まだほとんど聴きこめていませんが…

 こちらには、自分の敬愛する宮沢和史(THE BOOM)がソロプロジェクトGANGA ZUMBAを引き連れてこの「すばらしい日々」を歌っています。こちらは原曲のスピード感を排し、濃い声質も合わさって、どっしりと重心を低くして構えた雰囲気。ゆっくりと、遥か遠くを目指して歩いていくようなイメージを抱きました。間奏の民族楽器の影響もあるのかな。

 これはこれでいいですね。原曲の方向性を守りつつ、彼らしい表現に塗り替えたという感じ。でもやっぱり、矢野顕子のインパクトにはかなわない…
posted by はじ at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 過去ログ発掘。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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