2007年10月25日

RIP SLYME「熱帯夜」

熱帯夜
熱帯夜
posted with amazlet on 07.10.25
RIP SLYME Luis Gonzaga RYO-Z David Nasser Zedantes ILMARI PES SU
WARNER MUSIC JAPAN(WP)(M) (2007/07/25)
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<ローギアからじっとりと漂ってくるエロス>

 ピコピコ音がクセになりそうな、夏の熱い夜を描いた一曲。チープな打ち込みの淡々とした響きが、じっとりと汗ばむような蒸し暑さと、官能的なささやきめいたエロさを盛り上げています。

 RIP SLYMEの音楽は、どこかギアがローで、迫ってくるような暑苦しさを感じさせない曲が多いです。それが気だるさとなって表れると「楽園ベイベー」や「黄昏サラウンド」になり、飾らない等身大なスタイルの表明として表れると「One」になるのかなと。
 で、今回の場合、このローさが怠惰でただれたプライベートを感じさせる、押し殺したアダルトなムードを醸し出しているんだろうと考えるのです。そう考えると、「熱帯夜」というじっとりとした熱さを感じさせるシチュエーションに官能性を乗せるのは、彼らのスタイルにピッタリだなあと。

 リリックでは、とにかく印象的なのは『あなたなら Ah 私なら Woo』の部分でしょう。これがどこか扇情的に聴こえてインパクト大なのは、とにかく覚えやすいフレーズだという点と、あとはメロディによる部分も大きいのかなと。
 特にヒップホップの分野だと、こんなメロディラインでキメの1音(ここでは「Ah」「Woo」のところ)が最後にある場合は、強調したいために音が上がることこそあれ、下がることはあんまりない印象があります。そこをあえてだらりと下がった音で発声するので、まるで吐息のような響きになり、色っぽく響くのかなあと。

 そして、細かいですが『ホテらすネツタイヤ』と、「熱帯夜」の「ツ」をはっきり発音しているところも見逃せません。「ツ」は声帯が震えない無声音ですが、やっぱり「吐息が漏れた」ような響きを生みますから、この文脈だとエロさに一役買う形になります。
 実際に発音してみると、この「ツ」のアクセントがあるのとないのとでは、受ける印象が大きく違ってくるのがわかるでしょう。
 これと似たようなところでは、『もう元に戻れないぜ 二人のまれ/街中熱く染まるファンファーレ響くぜ』というMCパート部分が、「ふ,たりのまれ」「ま,ちじゅう」「ひ,びくぜ」なんて区切って歌われているなんてのも。もちろん韻やリズムの制約はありますが、単語の中での区切りをわざわざ強調して言っているフシがあります。これも、はっきり区切ることで、昂ぶっているムードを演出しているんだろうなあと。

 トラックで言うと、チープさローさのもたらす効果は先に述べたとおり。
 そして、「Ah」「Woo」の歌い方と同じく、コードもそれをなぞるトラックも下降音型を軸として構成されていて、それが静かに立ちのぼるアダルトな雰囲気に貢献しています。


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