2007年10月22日

Aqua Timez「ALONES」

ALONES
ALONES
posted with amazlet on 07.10.22
Aqua Timez 太志
ERJ(SME)(M) (2007/08/01)
売り上げランキング: 2145


<奮起よりもリラックスを促す、「頑張るな」というメッセージ>

 Aqua Timezの新曲は、スピード感を持って進んでいく軽快なナンバー。これまでのシングル群は、基本ミディアムテンポで進行し、歌詞の内容と共にどっしりとした印象を与えてくるものでしたが、その枠組みから少しだけ外に踏み出した感があります。
 とはいえ、リズムの刻みを広くすることでどっしり落ち着く部分も多いですし、また歌詞も非常にメッセージ性が強く、芯の部分はほぼこれまでと同じと考えてよさそうです。

 「君」への呼びかけは、強さではなく、優しさに重きが置かれています。
 『もう誰かのためじゃなくて 自分のために笑っていいよ』
 『こらえることだけが勇気じゃない』
 人に気を配ったり、我慢したりして疲れたりしないで、そんなことはさせたくない。こうしたフレーズを見ていくと、中心になっているのは、「無理して頑張らなくていい」というこの一点に集約されていることがわかります。
 陽性のメッセージではありますが、「頑張れ」と発奮を促す応援ソングとは、正反対の主張なのです。無理をせず、自分のペースでいい。もっと自分を大切にしよう…こうした観点に立って練られたメッセージになっているのですね。

 で、この曲中ではさらに、どうして「頑張れ」とは言わず「頑張るな」というメッセージを選んだか?について、根拠というか背景に当たると思われる内容も綴ってあります。
 『君は少し 青すぎる空に疲れただけさ』
 『時にこの世界は 上を向いて歩くには 少し眩しすぎるね』
 空の青さ、そして眩しすぎる世界。何か悪い物事が起こったためではなく、むしろ良さげな性質のものが「君」の障害になっているのでは…と類推しているわけです。

 問題はないはずなのに、世界は素敵なもののはずなのに、なんだか疲れてしまう。便利で裕福な生活を送っていても満たされない、という現代の病理を思わせます。そんな中で、最近は「頑張れ」という言葉は無責任に感じる、なんていうふうにもよく言われるようになりました。少なくとも、うつ症状の人にとっては、重荷になってしまうとして、絶対に言ってはいけないとされていますよね。
 普通に生活を送っている中でも『依然として忍び寄る孤独』に怯えたり、つい周りに合わせたり、劣等感にさいなまれたりしてしまう。うつに限らず、そんな感覚を持って苦しんでいる人へ届けるメッセージは、「頑張れ」ではなく「頑張るな」のほうが適切なのかもしれません。


posted by はじ at 08:08| Comment(2) | TrackBack(0) | J-POPレビュー男性(あ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。