2007年10月12日

ポルノグラフィティ「リンク」

リンク
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posted with amazlet on 07.10.10
ak.homma Porno Graffitti ポルノグラフィティ 岡野昭仁 新藤晴一
SME Records (2007/07/18)
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<曲とも連動しての、すっきり筋の通ったメッセージ展開>

 ポルノのデビュー以後、シングルA面曲の大半はギター新藤晴一が作詞を手がけたものでした。ボーカル岡野昭仁も、これまでの活動の中でかなり多くの曲を作詞作曲しているものの、A面でリリースされたのは「音のない森」「ROLL」(「ネオメロドラマティック」と両A面扱い)そして「Winding Road」の3作のみです。

 新藤晴一作詞の楽曲の多くはプロデューサーのa.k.hommaが作曲しています。a.k.homma楽曲は、メリハリがはっきりしていて、展開が速く、どこかオリエンタルな哀愁を含みつつ、キャッチーなメロディラインをしています。そうした要素が、歌う岡野昭仁の声質と合っているんですよね。おそらくはやはりプロデューサーとしての客観的な視点から、意図的にボーカルとの相性・キャッチーさを取り入れて作っているんだろうなあと思うのです。

 一方、岡野昭仁は詞と曲の両方を自ら手がけることが多く、そのせいもあるのか作風もシンガーソングライター的なものが多いように感じます。すなわち、自問自答の中で答えを見つけていく…というスタイルですね。
 ボーカル自身が作る曲というのは、やはり本人の歌いたい、主観的なメロディラインになるもの。特に今作では、語られるメッセージに合わせるかのように、楽曲の展開が工夫されているように感じます。

 ロックにうねるイントロから、そのままのテンションでなだれ込むように早くまくし立てられるAメロ部分では、「疑問」や「世界への皮肉」といった、マイナスの内容が語られます。愛し合う二人が、互いに互いを求め合いながらも『それでも嘘だの まがいものだのって/手探りを繰り返すことに意味があるのか?』とつぶやいてみたり『流した涙も偽物とされてしまう』と嘆いてみたり。
 もちろんそれらは、伝えたいメッセージへの伏線になっています。『体も心も知っているんだ』という短いフレーズから、世界は変わり、ぐっと緩やかで広がりのあるサビに突入すると、そこにあるのは疑問への強い答え。『真実はこんなにも「ぬくもり」を持っていて』と、思い悩む必要はない、この重ね合った手に感じるぬくもりを信じればいいんだ…というメッセージに落とし込んでいくわけです。

 「辛いこともある」→「でも大丈夫だ」この流れは、メッセージソングにおいては基本とも言えるもの。それを忠実になぞっているなあ、とこの曲の詞を読むと感じます。しかも、1コーラス・2コーラスのメロ→サビで、それぞれふたつの流れをきちんと作っているっぽいですし。

 さらにラストのリフレインでは、「でも大丈夫だ」からもう一段階先「だから前に進んでいこう」というところまでメッセージを進めていくようになっていまして。作詞のお手本になるような、すっきりした流れが作られているなあと。

 メロディラインやアレンジといった音の部分もまた、詞の展開に寄り添うように作られているわけで。総じて、たいへんまとまりを感じる一作になっています。


posted by はじ at 01:11| Comment(0) | TrackBack(0) | J-POPレビュー男性(は行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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