2007年10月09日

東京事変「OSCA」

OSCA
OSCA
posted with amazlet on 07.10.09
東京事変 浮雲 伊澤一葉 椎名林檎
TOSHIBA-EMI LIMITED(TO)(M) (2007/07/11)
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<楽曲製作の広がり、曲世界の広がり>

 東京事変の久々の楽曲は、中心人物・椎名林檎ではなくギタリスト浮雲の作詞・作曲によるもの。なんでも、椎名林檎の意向として特に曲に関しては他のメンバーが作ったものを使用していきたい、ということらしく、最新3rdアルバム「娯楽(バラエティ)」では一切曲を書いていなかったりしますし。
 確固とした世界観を持ち、かつ病的なほど凝り性の椎名林檎ですが、楽曲を自分のみならず他人に任せるというのは、あえてハードルを上げたかったのか、メンバーを信頼しているからか、それとも自家中毒に陥らないように新しさを求めたのか。個人的には、自分だけでなく複数の人間で世界を構築したいという気持ちが強まったのかなあ、という想像をしています。そもそも、あえてソロからバンドに活動をシフトしたのも、より刺激しあう環境を作りたかったのでしょうし、そういう気持ちが強まったのかなと。
 で、こちらの楽曲ですが、なんだかんだで椎名林檎的な性質を感じるというか、パッと聴きでそんなに違和感はありません。まあ、わざと濁らせるアクの強い歌い方や、鋭利な音作りをするバック陣が健在なのでそう感じやすいという点はありますが。曲の途中でテンポが上がってラストは疾走と、また今回はやたらと攻撃的です。

 内容は、ちょっと難解ですが、おそらくは男女間の駆け引きを軸にしているんじゃないかなと。で、特に『実は腹の下』とか『異種なら交配』とか、肉体関係を示唆すると見られるフレーズが多いです。『嗚呼 疑わしい無罪 そのデバイス』というのも、「デバイス」っていうのは「接続」する機器ですからね。
 男女関係を複雑な言葉や言い回しで描くのは椎名林檎の作風でもありますが、彼女の場合はもっと情念的で生々しさや張り詰めた雰囲気を出してくるもので。『底無しで癒えない 嬲ろうか』なんて言い方とか韻とかは林檎的。ただ、『なけなしの羽振りで揺さぶろうか』『ノンケだしもう摂理で動くのだ』とかその辺りのフレーズは、どことなくユーモアというか、ひょうきんな匂いがします。駆け引きを描いているので緊張感はあるものの、軽さもあるんですよねー。
 これはつい出てしまった書き手の特性なのか、それとも林檎本人のパロディ的な感覚で書いたのか。そういう感覚がテーマに据えられているのかもですが、それだったらやっぱり今までの林檎にはない要素で、新鮮ですね。

 OSCAというのは、スポーツカーの種類だそう。とすると、「DS」はシトロエンDS、「ALFA」はアルファロメオのことでしょうか。スポーツカーはよく女性に喩えられたりしますし、ここでもそういった使われ方とみても問題なさそうです。
 タイトルにこうした現実的なモチーフを採用するのも、林檎にはない傾向ですよね。


posted by はじ at 03:13| Comment(2) | TrackBack(0) | J-POPレビュー女性(た行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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